トレーニングに影響する日頃の癖(1)/三橋 忠
掲載日:2016.02.24
フィジークオンラインをご覧の皆様、初めまして。
加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院代表、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナーを務める三橋忠です。
私はパーソナルトレーナー業務以外に、柔道整復師として経営する、浦和のハピネス整骨院の院長もしており、日頃からトレーニング外傷・障害を診させていただいております。
特に多いのはローテーターカフ障害(回旋筋腱板炎)、グローペイン症候群(鼠径部痛)など、レントゲンには写らない、主に筋肉のアンバランスから来る痛みが多いです。
今回は初回なので総論として、上記のような怪我が起きる根本的な原因を、ウェイトトレーニングをする方目線で話します。
まず一般的に上げられる怪我の原因を列挙します。
① トレーニングフォームが悪い
② トレーニング負荷が多すぎる(重量、セット数など)
③ トレーニング種目の選択が悪い
④ トレーニングのスピードが速すぎる
⑤ 次のトレーニングの間隔が短か過ぎる
⑥ 誤ったチーティング
⑦ ウォーミングアップ不足
⑧ 食事制限
⑨ 事故・アクシデント
これらの要因を全て回避していても、残念ながら怪我は起きます。起こりうる根本的な原因は、タイトルにも書きましたが「日頃の癖」なのです。「日頃の癖」が潜在的にトレーニングに影響し、身体のアライメントを崩して、静的姿勢、動的姿勢でのアンバランスを生じ、正しいフォームでのトレーニングを阻害するのです。
極端に書きましたが、それ位に「日頃の癖」は見過ごされているのです。なぜ見過ごされるかというと、本人が癖に気づいていない事が多いです。
例えば、トレーニング中に片足に体重を乗せたまま話を聞いていたり、プレートを戻す時に毎回右手だけで戻したり、フロアから起き上がる時に左手から手をついたり、メモ取る携帯電話を利き手だけでいじったりなど、私とセッションしてる数分間でも多くの癖に気づきます。
その程度の事なら直す必要は無いと思われますが、おそらくトレーニングを始める以前から染み付いてる習慣なので、強い癖は改善する必要があります。指導を受けてるパーソナルトレーナーや治療家に「日頃の癖」を指摘してもらうようにしましょう。
ちなみに現場では、癖の改善を踏まえ、主に8つのポイントの正常反応の確認、関節可動域が確保できてるか、そしてそれに見合う筋力があるかをチェックします。
①頸椎の回旋
②胸椎の伸展
③脊柱起立筋の適度な緊張
④腹横筋の筋収縮反応
⑤腹直筋の適度な緊張
⑥股関節屈筋群の弛緩
⑦胸郭の可動性
⑧肩甲骨後傾・肩甲骨上方回旋の誘導
この8つのポイントの異常反応が、トレーニングフォームの不具合を助長してることが多いです。またこのポイントの確認を、日々のルーティーンとしてウォーミングアップやトレーニングに加えると、怪我を未然に防げ、身体の連動性も高まり、筋出力も上がりトレーニングの効率も良くなります。
次回は8つのポイントについて細かくご紹介致します。
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- 三橋 忠(みつはし ただし)
加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。
<資格>
・厚生労働大臣認定柔道整復師
・加圧スペシャルインストラクター
・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
・キネシオテーピングトレーナー
<競技実績>
2008年ボディビルMr茨城 準優勝
2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝
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