フィジーク・オンライン

【屈強インタビュー】#11~#15 まとめて紹介

この記事をシェアする

0
掲載日:2022.01.12
記事画像1
日本有数の屈強達に日頃のトレーニングの取り組みや考え方を聞いていく人気シリーズ「屈強インタビュー」。過去に掲載した取材をハイライトで紹介。#11~#15は黒川宏太氏、高田晃志氏、持田教利氏、五味原領氏、坂本陽斗氏。

#11 黒川宏太 "褒めないでくれ、伸びなくなる"

記事画像2
メニューの細かい構成に関しては自分でも複雑に思っているのですが、10種目ほどの中から毎回違う種目を選んでやる感じです。同じ種目を連続してやっていないことが特徴で、二周か三周ですべての種目をやり終えて戻ってきます。
自分は種目の役割を大きく三つに分けています。

①全身の筋力や土台のトレーニング
ワイドスタンスのデッドリフトやベンチプレスなどです。
デッドはどこかに効かせるという感覚はなく、ベンチプレスでも大胸筋を狙う感覚はありません。とりあえず重量を扱うことが目的です。

②特定の部位の筋量を増やすトレーニング
スクワットやダンベルプレス、ディップスなど。ほとんどの種目がこれに入るかなと思います。

③筋肉の形を変えることを意識するトレーニング
ペックフライで胸の下部や内側を、ダンベルプリ―チャーカールで二頭筋のピークを狙います。レッグレイズやハンギングレッグレイズなど腹筋種目もこの要素が強いかと思います。
こうして取材を受けているように自分を高く評価してくれる人もいるのですが、褒められるといまいちトレーニングに気合が入らなくなってしまいます。
反骨精神があって、悔しくないと伸びない感じです。それで勝てるのが気持ちいい。

良く評価されると努力がもう十分だと、黒川の可能性はこれが限界だと思われているようでイヤなんです。お前は全然まだまだだと言ってもらった方が、もっと伸びると言われているようで嬉しいです。
全日本ジュニアボディビル2位等の実績を持ち、「自分を良く評価するよりできるだけもっと厳しく見ていてほしい」と反骨精神を糧に躍進する黒川氏。昨今ではジムオーナーとしても活躍する。
#11 黒川宏太 "褒めないでくれ、伸びなくなる"

#12 高田晃志 "ボディビルで形を残したい"

記事画像3
書籍や他の選手のメニューを参考にしたわけではなく、いろいろと試行錯誤した結果今のメニューが一番合っていると感じます。
全身をトレーニングしているのにも関わらず発達しにくくかったり弱点になっている部位は、トレーニングでうまく刺激が入っていないことに原因があると思っています。
重さを扱っていく前に、まずはすごく軽い重量で刺激を的確に入れる感覚を掴むことが重要です。
代償動作が出ないように一定のリズムとフォームで行って、潰れるまではやりません。
「そろそろ危ないな」くらいで止めておきますし、フォームが崩れたり代償動作が出そうになってもやめます。
ボディビルのポージングとトレーニングを結びつけるようにしたことで明らかに効きが良くなりました。
例えば腹筋もポージングを意識しながら行いますし、ケーブルを左右から引いてダブルバイセプスに近い動作をする際も肘を単に曲げるだけでなくポージングを意識しながら行います。
ボディビルではもちろんデカさも大事ですが、ポーズをとったときにいかに良く見えるかという点も同じくらい大事です。
FWJニュージェネレーションクラシック優勝、全日本学生ボディビル選手権7位等の実績に加えて理学療法士の資格を持つ高田氏。独自の試行錯誤を経て今に至る方法論は必読だ。
#12 高田晃志 "ボディビルで形を残したい"

#13 持田教利 "トレーニングを愛しているからこそすべてのカテゴリーで戦いたい"

記事画像4
完全に根性論トレーニングになっていたので最近は大幅に変更しました。
とりあえず一番わかりやすい種目をやろうと思って、レッグエクステンションを1セットで200回やるという種目を考案しました。一番下の重りから20回ずつ、10段階に分けて落としていくやり方です。どんなに下手でも絶対に刺激が入ります。
持論なのですが、脚の筋肥大に関しては対乳酸のトレーニングが一番いいのではないかと思っています。同じ自転車でも軽い負荷で長い距離走ると筋肥大には向きませんが、競輪選手の大腿部のように、ある程度の重さをのせて筋力を爆発的に発揮し続けることですごく太くなっている。
トップの選手にいきなり重量では勝てない。でもその中でどうやって太刀打ちするかを考えると回数で勝つしかないかと思って。
生活全部がボディビルになるようにしています。去年から一人暮らしを始めて、ボディビルに必要なものしか家に置いていません。ハイパーボルトやポールでケアをしたりコンディションを整えたり、大きな鏡で体をチェックしたり。テレビも置いていません。あるとつい観てしまうので。
2020年に開催されたマッスルゲート東京においてボディビルで2位、メンズフィジークとクラシックフィジークの2カテゴリーではオーバーオール優勝を成し遂げた持田教利氏。トレーニングが好きだからこそ様々なカテゴリーに出場しつつ、一方でトレーニングを楽しむことを忘れないようにしたいと語る。
#13 持田教利 "トレーニングを愛しているからこそすべてのカテゴリーで戦いたい"

#14 五味原 領 "周りに流されず自分のペースで"

記事画像5
今まで何度も怪我をしてトレーニングができずにやる気が下がり、体もしぼんで不安になる時がありましたが、トレーニングに対する知識や経験が深くなるにつれて元の状態に戻すのにさほどかからないのであまり焦らなくてもいいなと再確認できました。
今回の怪我に関しては不安すらなく、怪我が治ればすぐに体も戻せるとわかったので思い切って休むこともできるようになりました。
あとは動かせる部位のトレーニングを継続してやっていくことが大事だと思いました。今までは怪我をするとトレーニングを全て休んでいたのですが、今回は足のトレーニングを欠かさずに続けられたのでそこは成長できたかと思います。
SNSでは凄い体をしていたり高重量を扱っていたり斬新な考え方を提唱する選手がどうしても目立ちますが、自分の目的、目標を明確にして他人の意見や存在は気にせずに好きなように自分のペースで頑張ることが大切です。
焦りや不安からトレーニングをすると精神的にも良くないですし、楽しいものでなくなってしまう。
怪我などによりメニューの変更を余儀なくされたり、モチベーションの上下などトップ選手に比べるとまだまだムラがあると思います。
しかしそういった面を受け入れて、自分が常にトレーニングを好きでいられるような状態でいたいと思います。トレーニングを嫌いにならないように、トレーニングを楽しいと思えるように、こうなりたいと思える体に近づけるように。
2020年ゴールドジムジャパンカップ クラシックフィジーク優勝などの実績を持つ五味原領(ごみはられい)氏。大会で結果を出すことを根底に据えながらも、自分の目的や目標を明確にし、他人の意見や存在は気にせずに好きなように楽しみながら自分のペースでトレーニングを行う哲学の一旦を垣間見ることができる。
#14 五味原 領 "周りに流されず自分のペースで"

#15 坂本陽斗 "自分の可能性を追い求めたい"

記事画像6
脚は、表側をつぶせば裏側で耐えられるという性質を使うことが多いです。なるべく早めに表側を追い込んで、裏側で耐えて脚全体をオールアウトさせる狙いです。脚に関しては大きな筋肉が多いので、高重量を扱って重さで潰しています。
ドウェイン・ジョンソンに憧れて市営ジムでトレーニングをしていました。トレーニングの方法をあまり理解していなくて、頻度だけが高かったです。140~150㎏のシュラッグを20分かけてやったりしていました。当時デッドリフトは知らなかったのですがシュラッグは好きでした。どんどん重いモノを持っていった結果、シュラッグにたどり着いた感じです。
①一つの部位で合計20セット以上やる
②栄養を絶やさない
③過去の自分に負けない
これを個人的な鉄則にしています。
皆、マシンを単純に使うことしかしていないように思います。
それに留まらずもっと変わった使い方や色んな実験をしてみて、そのマシンで何ができるかあらゆるものを試してみることで多くの気づきや発見が得ることができます。
フリーウェイトでも同様です。解剖学や生理、運動学を勉強していくことと並行して、教科書に載っていない種目を探して試行錯誤する時期も必要かと思います。
2021マッスルゲート愛知7冠、2021全国高校生ボディビル選手権優勝などの実績を持ち日々の 研鑽と試行錯誤を続ける坂本陽斗氏。「ボディビル以外もやってみたい。自分の可能性はボディビルだけではないと思っているので、挑戦したいことだらけ」と語り、次世代の圧倒的な存在感を誇る。
#15 坂本陽斗 "自分の可能性を追い求めたい"
国内トップレベルの選手の工夫や見解は非常に参考になる。それぞれの記事を読み返すことでトレーニングに活用する新たなヒントが見つかれば幸いだ。

【屈強インタビュー】全記事