フィジーク・オンライン

体幹(コア)の柔軟性と必要性 / Flowing Exercise®でコアを鍛えよう

この記事をシェアする

0
掲載日:2015.06.05


カコッ、カコッ、カコッ、カコッ、カコッ、カコッ・・・決して軽快とは言い難い、大きな音を響かせながら、前を通りすぎて行く一人の女性。よく見ると、背中を丸め、膝が伸びず、かなりのO脚で、カラダは左右に揺れています。そのため、細いヒール部分は外側の減りがひどく、これでは素敵な靴も、キレイな女性も、ちょっと残念になってしまいます。

では、なぜそんな歩き方になってしまうのでしょうか?まずは、足の指そのものが、きちんと使われていないということです。歩く行為自体は、指のつけ根の拇指球まで使えていれば可能ですが、それでは、指そのものの機能を発揮することができません。足の指には、カラダのバランスをとるという重要な役割があり、膝の負担を軽減するのにも一役買っています。

そして、もうひとつの原因。それは体幹(コア)にあります。体幹(コア)は直接結びつかないイメージがあるかもしれませんが、この部位を強化することにより、指へのストレスを減らすこともできますし、カラダが不安定に揺れるのも防ぐため、足を疲労から守ってくれる効果もあるのです。美しく、カッコ良く歩くためには、とても大切なパーツと言えるでしょう。

今回はその体幹(コア)の柔軟性と必要性のお話しをさせていただきます。





まず、私たち人間のカラダの体幹部位は、頸椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)、仙骨、尾骨が、積み木のように重なり、ゆるやかなS字カーブを描いている、脊柱という骨で支えられています。このS字カーブはとても重要で、それぞれの骨にかかるショックを吸収し、バランスの維持をサポートしているのです。

そして、この脊柱の動きを支えるために、小さな骨と骨の繋がりに、いくつもの靭帯や筋肉が付着しています。靭帯は、動きに対して、必要以上にズレが生じないよう静的な働きをし、筋肉は、脊柱が正常な動作を行えるように、筋力による動的な働きをすることが役目です。

子供の頃は、リンボーダンスのように、カラダを大きく反らすことにも、腰椎や頸椎はさほど反発をしませんでした。ところが、大人になった今は、あれほど大きく反らすことは、得意な動作ではなくなります。

それは、遡ること数十年?まだ、お腹の中にいるころの体勢ですが・・・しっかり丸まっていませんか?

大切な心臓や内臓を守るための本能の格好です。気を抜き油断をすると、自然に丸くなってしまうのも、そのためかも知れません。

やがて、成長する過程で、ハイハイをしたり、つかまり立ちをしながら、徐々にS字カーブを形成していきます。そのS字カーブは、幼少期からの遊びや運動などによって強化される、柔らかい筋肉で保持されていますが、大人になると、その筋力は衰え、日常動作そのものが単純化されるため、筋肉は硬くなる傾向にあり、S字そのものが、自由な柔軟性を失ってしまうのです。

では、柔軟性を失うと、どのような弊害が生じるのでしょうか?まず、柔軟性を失ったカラダは、血液の循環がスムーズではなくなります。そのため、冷えや肩コリ、首コリを引き起こす原因となり、ひいては腰痛で悩まされることも、少なくはありません。

また、睡眠時もカラダの緊張が脳に伝わり、安眠を得られないまま朝を迎え、疲れがたまっていくこともしばしばです。さらにケガをしやすいですとか、老廃物が排出されず、むくみや肌あれを起こしやすいなど、“キレイ”を作るには大敵なことばかりです。





最後に、最大のデメリットをひとつ。肥満です。固まったカラダは代謝が落ち、脂肪を燃えにくくしてしまうため、太りやすくなるのです。こちらは、三大疾病(ガン・心臓病・脳卒中)に結びつく重要課題であり、決して放置はできません。

筋力と柔軟性は、年齢とともに弱くなる傾向にありますが、プラス肥満を抱えてしまうと、そのリスクは何倍にも増えていきます。骨や関節への負担も、思っている以上に大きなものです。腰痛や膝痛などの関節障害も、当然起こりやすくなるでしょう。

さらに、高尿酸血症の60%が、肥満が関与しているといわれ、痛風をまねく恐れもあるそうです。 また、乳ガン、子宮ガン、大腸ガンなど、多くのガンのリスクが高まるという不安要素をつくってしまいます。

そして、そのリスクファクターが生活習慣病です。これは、毎日の生活の中で、マイナス的な習慣の積み重ねで発症します。主に、肥満に加え、高血圧、糖尿病、脂質異常症などが挙げられます。

これら、さまざまなトラブルから身を守る手段のひとつとして、柔軟性は必要なのだと気づかされます。 とくに、骨盤・脊柱は要となるパーツですので、積極的なアプローチが大切でしょう。

生活習慣病


生活習慣病は、ほとんど自覚症状がないまま進行し、かなりの年月を経て、突然病状が現れます。


生活習慣病を予防するには


バランスのとれた食事
今日は何品目摂られましたか?偏食をしないように、栄養を考えながら楽しく食べましょう。
適度な運動
エレベーターやエスカレーターを使わず、階段を上がるだけでも良い運動になります。ストレッチも効果大!
ストレス
ストレス発散にドカ食いと大酒?なんて、もってのほか。上手に解消できる方法をみつけておくといいですね。
喫煙・飲酒
タバコは控え、お酒の飲みすぎは禁物です。

柔軟性=ストレッチ が一般的ですが、固いカラダを伸ばすことは痛みを伴います。無理に伸ばそうとせず、徐々に行うこと。また、逆に、一度力を入れることにより、筋肉は緩みやすくなります。それは、『筋肉は収縮させると弛緩する』という習性があるからです。C2 companyが提案するFlowing Exerciseは、まさに、その習性を応用し、筋肉の柔軟性と強度を高めるメソッドとなっています。


Flowing Exerciseで体幹(コア)を鍛えよう!


今回ご紹介させていただく“バタフライ”は、先ほどお話しさせていただいた、S字カーブの背部を被う筋肉、脊柱起立筋群と多裂筋に働きかけるものです。

ハンドポジション


手のひらが上になるように、人差し指と小指で骨盤を捉えます。手のひらを下にしてしまうと、肩が内施してしまう(内側に入ってしまう)ので、気をつけましょう。


ニュートラルポジション


(1)スタート位置です。イスに浅く座り、膝は拳ひとつ分くらいに開きます。
(2)骨盤を立て、耳下線(耳)、肩峰(肩)、大転子(脚の付け根の大きな骨)が一直線になるように、背筋をまっすぐ正してください。
(3)ニュートラルポジションでは、息を吸っています。



(1)肩は後ろに引き、力を抜きます。
(2)ゆっくり息を吐きながら、骨盤を少しずつ前に傾け、カラダを反らしていきます。背骨より近い部分(インナーマッスル)を意識して下さい。
(3)フィニッシュは、さらに骨盤を前に傾けながら、より背中を縮めます。同時に肘を少し後ろに引きましょう。目線は斜め上方向に向け、アゴを少し上げます。息を吸いながら、ニュートラルポジションへ戻ります。


NG Pose



脚を広げすぎたり、閉じすぎたりしていませんか?
アゴを上げすぎて、頚椎を圧迫しないように気をつけましょう。


体幹(コア)のエクササイズというと、アスリートが行っているようなキツいトレーニングをイメージされるかと思います。また、キツくないと効果がないように思われている方も多いのではないでしょうか。

『Flowing Exercise』は、筋力トレーニングとしては異例の、自然で楽な呼吸が保てるように考えられたヒーリングの音楽を使用しています。「なんとも言えない気持ちよさ」を体感しつつ、エクササイズ終了後には、姿勢が良くなっている自分に気づかされ、体幹のインナーが十分に刺激されたことも、ご自身で確認していただけます。


  • 後藤 可都実(ごとう かつみ)
    C² company代表 
    Flowing Exercise協会理事長
    JCCAコアコンディショニングパーソナルトレーナー
    日本健美協会リンパドレナージュアドバイザー
    (財)東京都高齢者・福祉振興財団認定 介護予防運動指導員
    シナプソロジー普及会シナプソロジーインストラクター

MODEL :
SeiRyu
フィットネス&ボディメイク情報誌
[ PHYSIQUE MAGAZINE 002 ]

関連記事

オーバートレーニングを防ぐために注意すべきこと

オーバートレーニングを防ぐために注意すべきこと

高校時代におけるウエイトトレーニングの重要性

高校時代におけるウエイトトレーニングの重要性

筋トレ初心者こそベンチプレスでトレーニングをしよう!(1/2)

筋トレ初心者こそベンチプレスでトレーニングをしよう!(1/2)

パワーフォームを導入した「ベンチプレスを強くするためのトレーニング」(1/4)

パワーフォームを導入した「ベンチプレスを強くするためのトレーニング」(1/4)

Mr.6pack 有馬 康泰のトレーニング講座 −腹筋− (2/2)

Mr.6pack 有馬 康泰のトレーニング講座 −腹筋− (2/2)

アーノルドのライバルが確立した「ヘビーデューティートレーニング」とは?

アーノルドのライバルが確立した「ヘビーデューティートレーニング」とは?

Mr.6pack 有馬 康泰のトレーニング講座 −上腕三頭筋−

Mr.6pack 有馬 康泰のトレーニング講座 −上腕三頭筋−

オーバートレーニングは筋発達を遅らせる!?

オーバートレーニングは筋発達を遅らせる!?