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【屈強インタビュー】#1~#5 まとめて紹介

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掲載日:2021.12.17
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日本有数の屈強達に日頃のトレーニングの取り組みや考え方を聞いていく超有用な人気シリーズ「屈強インタビュー」。膨大なシリーズの中から5本ずつに分け、過去に掲載した取材をハイライト形式で紹介していく。
より筋肥大をするため、より高いレベルに行くために何が必要なのか。それぞれの目標に合わせて試行錯誤を繰り返し現在に至る経緯など、ぜひ全文をチェックしてほしい。まだ読んだことがなければ必読、すでに一度読んだことがあっても読み返すことで新たなヒントや発見があるだろう。

#1 パクチー大原 "筋トレは人生を楽しむためのツール"

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トレーニングはメンタルスポーツだと思うようになりました。トレーニングの時間と辛さに対してリターンが少なすぎると感じ、2ヶ月ほどトレーニングをやめていた時期がありました。リターンを求めることも大事だと思うのですが、自分にとってはそれよりもトレーニングを楽しみながらやることが重要だと気付きました。
トレーニングに限らないと思いますが、トレーニングだけを趣味にしていて怪我等でトレーニングができなくなってしまった場合、他の趣味が全くないと好きなことができずに鬱になってしまうかもしれません。なので趣味も複数、収入も複数持っておくとトータルで人生楽しくなるんじゃないかなと思います。
ライフスタイルや人生の方向性としては「楽しく生きる」ことを目的としていこうと思います。筋トレは人生を楽しむためのツール。もし楽しくやれていなかったら終わりかと思います。筋トレを最優先したとしても、それを楽しめなければトータルで人生が楽しくなくなってしまう。人それぞれの筋トレの付き合い方があると思うのでうまく付き合っていってほしいです。
筋トレ村の設立後、トルコやエジプトなど世界中を旅しながらその様子をYouTubeで配信しているパクチー大原氏。トレーニングをすることで何を得るのか、そもそもなぜ筋トレをするのか。環境を根本から見直し、再発見するヒントを与えてくれる。
#1 パクチー大原 "筋トレは人生を楽しむためのツール"

#2 "こんがり" 東将治 まずはベーシックを貫くこと

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1セット目は8レップ、2セット目はそれに+5㎏をした重量で5レップ。それが達成できたら次の週には両方とも+2.5㎏ずつ足していく。それもできたらさらに両方とも+2.5㎏ずつ足していくことを繰り返していく。これがメインセットとメモリセット法です。色々試した結果メインセットとメモリセット法の体感と相性が良かった。

逆に、ベンチプレスもスクワットも毎回同じ重量でのトレーニングは個人的にあまり合わないようで伸びなかったです。毎回の重量を下げるなり上げるなり、重量に変化をつけてトレーニングをしていった方が伸びていく感覚がありました。
大雑把に重量設定をしていた結果、かなり長い期間停滞してしまっていたこともありました。毎回メモをとることでみえてくるものがあると思います。
1RM以外の記録、パーソナルレコード(PR)を知ること。例えば自分自身のMAX、1RMが何キロかという最大重量はよく覚えていても、10回や9回、8回などの重量での記録を覚えていない人が多いように思います。1RMの最大重量が伸び悩んでいたとしても10RMや8RMでの記録が伸びていることもあるので、メモを取っておくとそういった点に気付くこともできます。
その結果、1回の最高重量だけを参考にするのでなくそれぞれの重量で何回を挙げられるかを高めていくことも有効なのではないかと考えました。似て非なる競技ですが、ボディビルにパワーリフティングの考え方が生きる部分も多くあると思います。
多方面からの考え方を柔軟に取り入れ、試行錯誤を経て最適なものを選択している東将治氏。流行や応用に走るよりもまずはしっかりと基本を学び、情報を取捨選択するための知識をつけることが重要と話す。
取材後の2021年9月、目標に掲げていた第13回日本クラシック男子ボディビル選手権大会優勝を果たす。
#2 "こんがり" 東将治 まずはベーシックを貫くこと

♯3 芳賀セブン "過去の自分を越していくこと"

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最近は6分割でやっています。
胸、肩、背中、腕、スクワット、脚。

間違いではありません、脚の日とは別にスクワットの日があります。スクワットを気が滅入るまで好きなだけやる日があって、その次の日に脚のトレーニングをします。スクワットは脚トレとみなしていないというか。単純に、スクワットが好きで。しゃがんで立つという動作自体がもう好き。楽しいです。
パワーリフティングの試合にも出ていますがパワーの練習は一切してません。ベースはボディビルのトレーニングで、調整らしい調整は2日前に休むことくらいです。みんな最短距離で最高重量を上げようとしてくるので、僕は最長距離で最高重量を上げてやろうと。そういった美意識や反骨的な考え方があって、サイクルも組まないしピーキングもしません。
過去の自分を越すということ。
僕の目指すところの一つにパワーとボディメイクの両立というのがあります。極端に太っていて重量が扱えるというのも嫌だし、バキバキに絞れていてデカくても力がないというのも嫌。両方追い求めたい。
かっこいい体になってトレーニングを通じて人生を豊かにして、素敵な彼氏と幸せに暮らしたいです。
「じゃあ、ジム行く?」の言葉と共に自称新宿二丁目最強バルクを誇る芳賀セブン氏。ボディビルとパワーリフティングの両立を掲げ、唯一無二の美意識と反骨精神で独自の道を行く。
♯3 芳賀セブン "過去の自分を越していくこと"

#4 ジャック梶田 “自分の答えをオーダーメイドせよ”

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答えは人によって全然違うので、あの人が良いと言ったから自分にとっても良いものとは限らない。ネットだと「これさえやっておけばいい」という安直な情報もありますが、実際はそんなに単純なものではありません。ネットは個人に情報を合わせていないので、自分の答えをオーダーメイドしないといけない。特に、若かったり歴が浅い人はパーソナルトレーニング等を受けて自分にあったメニューや弱点を見つけていかないと壁に当たってしまうかと思います。
重量を伸ばしていくことが大事と言いましたが「バーン(burn)」と呼ばれる筋肉が焼けるような感じのストレスを与えたりなど、重量を伸ばしていく以外にも筋肥大の方法はあります。なので、どんな刺激を与えてアプローチをしているかという点も意識するようにしています。
よくボディビルはいろいろ犠牲にすると言いますが、犠牲にするよりはボディビルで人生を豊かにできるようにしたほうが良い。失うものばかりでなく得るものも多くあるので、そういった部分で希望を持ってもらえればと思います。
誰かが「良い」と言ったとしても、実際は多くの要因が複雑に組み合わさるためそれが自分にとって良いとは限らない。答えはその辺に落ちてなどいないのだ。より高いレベルに行くためには試行錯誤を繰り返し、自分自身に最適化したトレーニングを行わねばならないことを改めて思い起こさせてくれる。
#4 ジャック梶田 “自分の答えをオーダーメイドせよ”

♯5 泉風雅 "枝ではなく幹を育てよ"

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効く効かないに関しては持論があって、効かないと種目を変えてしまう人もいますが、まずはしっかりと目的の部位に刺激を入れられるだけの体の機能を整えておいた方が良いと思っています。
効く、効かないを論じる前に効かせられるだけの体の準備(アライメント(姿勢)・機能面など)ができているかが重要です。前提となる機能的な身体がないと、動作を分離したりタイミングをずらして「効かせる」ということはできません。それらを踏まえた上でようやくやりにくい種目が出てくるので、多くの場合で結論が早すぎるように思います。
自分も結局は重量を伸ばしていくという方向で落ち着いています。
まずは重量を伸ばしていけるベーシックな種目をキチンと行える身体を作ることが重要で、ウェイトトレーニングのための身体的素養づくりのようなものを重視すべきだと思います。

この考え方に至ったのは自分がこれまでに行っていた「効かせるトレーニング」だけで到達できるサイズに限界を感じたことが大きいです。もうこれ以上デカくなる感じがしませんでした。

効かせるトレーニングは応用技みたいなもので、ウェイトトレーニングの基本は重さを扱うことが大前提。そこから足りない部分を補うという意味で「効かせる」トレーニングがやっと出てくるものだと思っています。
「効かせる」トレーニングはわざと弱い形をつくっているとも考えることもできます。
重量を伸ばしていけないし、元となるサイズも伸ばせないように思います。そう言った点からもやはり重量を伸ばすという点に帰結します。
僕の目的は並のマッチョではなく、突き抜けたマッチョになること。
考えすぎて変な方向に走ったり、極論に偏らないことが重要だと感じます。
やはり基礎の徹底。基礎から外れ過ぎた応用は疑う。シンプルに考えるようになったことで自分がすべきこと、優先度の高いことに集中できるようになりました。

効果があることに集中して、なるべくシンプルにした方が良い。
木の枝よりも幹。細かい部分ばかりやりこむよりも、同じ熱量で幹の部分を育てたほうが成長が早い。先にやるべき部分がある。そこを見失わないほうが良いと思います。
昨年末からトレーニング指導を開始し、経験知の集大成となるnoteも大好評の泉風雅氏。選手としての実績とトレーナーとしての能力は別物と語るが、理論的に考え抜かれた高次元でのボディメイク戦略は自他ともに一層高いトレーニングレベルへと導くだろう。
♯5 泉風雅 "枝ではなく幹を育てよ"
国内トップレベルの選手の工夫や見解は非常に参考になる。それぞれの記事を読み返すことでトレーニングに活用する新たなヒントが見つかれば幸いだ。