関節と筋肉の機能を考慮したウォーミングアップ (1/3)
掲載日:2015.06.05
今回は関節と筋肉の両方の働きを考えたウォーミングアップについてお話ししたいと思います。ある意味、真新しいことではないかもしれませんが、もう一度ウォーミングアップの意味を考えていただくきっかけになり、ケガなどでトレーニングを中止することなく思う存分楽しんでいただければ大変嬉しく思います。
関節について考える
まず関節は2個以上の骨から構成されています。大切なのでここで軽く触れておきますが骨は皆さんがイメージしているようにカルシウムだけで出来た硬いだけのものではなく、コラーゲンという弾力を持った網にカルシウムをまぶしたような非常にしなやかなものだということを覚えておいて下さい。
枯れた硬い枝は簡単に折ることが出来ますが、弾力性に富んだ生木は非常に折れにくいことを思い出してください。コラーゲンが豊富にあることで私たちの骨は生木のようにしなやかさを保ち色々な衝撃に耐えるように出来ています。また前号でも触れましたがコラーゲンはタンパク質ら出来ていますので、非常に熱に弱いということも知っておいてください。
そして骨の端(関節面)はツルツルの軟骨で覆われていて摩擦が少なくなるようになっています。これら複数の骨を繋いでいるのが関節包、靭帯、筋肉&腱とよばれるものです。
関節包(かんせつほう)は字のごとく関節を包んでいる袋です。内側の滑膜(かつまく)と外側の線維膜(せんいまく)からできていて滑膜には毛細血管がたくさんあって、滑液(かつえき)という潤滑油を作り古いものと交換しています。
滑液は指で摘まんで離すと納豆のように糸を引くほどネバネバした液体です。関節の中にネバネバした液体があることで関節面の摩擦はツルツル軟骨の作用にプラスされてさらに低くなります。しかもこの液体は摩擦を少なくし、熱を冷ます役割も担っています。後述しますが、いわゆる膝に水が溜まるというのは、摩擦熱が関節内に溜まってしまい、熱を冷まそうとこの液体が通常よりも増えた状態です。
靭帯(じんたい)は関節包の内側にあるものと、外側にあるものがあります。それらは関節が動くときに動く方向を決めて安定させ、止まっているときには関節がグラつかないように支える役割を持っています。筋肉は骨に引っ付く手前で腱(例:アキレス腱)という組織に移行していきます。筋肉はゴムのようによく伸びますが、腱は筋肉のようには伸びずに堅いバネのような役割を持っています。関節付近では筋肉よりも腱の要素が多いので、これらも関節包や靭帯と共に関節を繋ぎとめ、安定させる機能を持っていますが、もっとも特徴的な役割は関節を動かすということです。
ここでご紹介した色々な組織が一体となり運動にとってとても大切な「関節」を作っています。
関節の機能向上① 〜冷やす? or 温める?〜
それでは関節がキチンと働くためにどんな条件が必要なのか考えてみましょう。
前回 関節の中には、潤滑油として滑液という液体が入っていることをお話ししました。そしてその液体は糸を引くほどネバネバした液体です。油も同様ですがネバネバ・ヌルヌルしていると摩擦を少なくすることが出来ますが、サラサラになると摩擦が増えて結果的に熱が生じることになります。油は温度が上がるとサラサラになり、温度が下がればネバネバ・ヌルヌルになります。
もし何らかの原因で関節内の温度が上がりサラサラになるとどうなるでしょうか?当然、潤滑油としての働きが落ち、摩擦による熱を生じることになります。その結果、関節の中には熱が溜まってしまうことになります。
先述したように骨は熱に弱い性質のコラーゲンから出来ていますので、熱は骨をどんどん蝕んでいくことになります。それが、いわゆる関節の変形です。それを防ぐためには潤滑油がネバネバ・ヌルヌルであって欲しいのです。
つまり、関節は冷やして機能を向上させるのです。その証拠に普段の関節内温度は体温よりも約1℃ほど低くなっています。しかし運動が長時間に渡れば、関節内の温度が上がり関節の働きは低くなってきます。
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- MODEL: 好川 菜々(Nana Yoshikawa)
生年月日 1978年6月25日
出身地 大阪府
血液型 AB型
身長 164cm
所属 雅ボクシングジム
タイトル
2005年 第3回全日本女子アマチュアボクシング選手権大会フライ級 準優勝
2006年 第4回全日本女子アマチュアボクシング選手権大会フライ級 優勝
2008年 第6回全日本女子アマチュアボクシング選手権大会ライトバンダム級 優勝(2階級制覇)
2012年 第10回全日本女子アマチュアボクシング選手権大会フェザー級 優勝(3階級制覇)
2012年 第7回AIBA世界女子ボクシング選手権フェザー級 ベスト16
戦績
アマチュア:77戦55勝、プロ:1戦1勝
フィットネス&ボディメイク情報誌
[ PHYSIQUE MAGAZINE 002 ]
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